フォトモンタージュ No.3 工場
2018.02.13
「工場」

空が赤くなった
燃えるような
赤い空は
心臓の鼓動のように
脈づいていた

工場は生きている
人々も其処で生きている

赤い空を突っ切る
黒いカラスの群れ
煙突をかすめて
向こうの山際で消えた

工場は生きている
人々の心臓も鼓動を重ねる

金属製のパイプが唸(うな)る
マシンが振動している
トラックの荷台がきしむ
工員の汗が床を濡らす








赤い空が闇となり
森が眠りはじめても
工場は眠らない
人々も眠らない

金属製のパイプが唸(うな)り
マシンが振動し
トラックの荷台がきしみ
そして
工員たちが汗を拭(ぬぐ)うのだ




詩集 「境界」より  

解説・・・そのままですね。

この写真は石灰工場なので大きな煙突がないのですが、この近隣にセメント工場があって、そちらには煙突があります。
もちろん、周辺にはカラスがたくさんいます。

二つの工場も、昼夜操業しているように見受けられます。ご苦労様です。
2018.02.13 02:15 | 固定リンク | 文芸

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