マネキンのいる風景 No.27 ビーチ2
2018.02.24
この撮影の帰り道、不思議な体験をしました。








このビーチの近くに無人駅があります。
その入り口に自動販売機がありますので、私はジュースを買って待合室で飲むことにしました。古びた駅舎でしたので、その雰囲気を感じてみたかったのです。

駅舎に入って驚きました。

沢山の人で待合室の座席はいっぱいでした。小さな駅舎でしたから、それでも二十人ぐらいの大人がひしめき合っていました。駅舎の外からはまったく気配が感じられなかったのです・・・・

駐車場は空っぽでしたし、話し声やなんらかの音さえも聞こえませんでした。
そして、奇異に感じたのは、全員が黒いサングラスをしていたのです。



わたしはあっけにとられて、しかし、動揺を見せまいとして、彼らの前を通り過ぎてホームの方へと歩きました。ほぼ全員が口をもぞもぞとさせて、独り言のように喋っています。それは唸りのようになって駅舎全体に響いていました。



ほんのしばらくして、列車がやってきました。
一両編成のディーゼル車でした。

<こんなにたくさんの人が乗れるのかな>
と私は冷静にそう思いました。

列車がホームで止まっても、彼らは誰も動きませんでした。列車のドアが開き、ホームには両親と小さな子供の三人連れが降りてきました。

両親は待合室の客に気付かないかのように通り過ぎましたが、子供は立ち止まって彼らの様子を見詰めていましたが、両親に促され駅舎の外へと引っ張り出されてしまいました。そのあいだに列車は発車しました。









私は待合室に立ち竦(すく)んでいました。
彼らは相変わらず念仏のように独り言を言いながら、古い木製の長椅子に座っていました。

やがて、大きな風の音が聞えてきて、「ヒュゥ~~ン」というつよい風切り音と共に何かが駅舎の傍に止まったような気配がしました。

彼らは一斉に立ち上がり、ホームに向かいました。
かれらは整然と列をつくって静かに歩いていましたが、私には後を追う勇気はありませんでした。






私一人待合室に残りました。


五分ほどして再び、大きな風切り音とど~んという振動があって窓ガラスがガタガタ揺れました。

冷静になった私は自分の時計をみて、そして駅に掲げてある時刻表をみました。下りの列車 18:30 上りは19:32 となっており該当する列車はありませんでした。もちろん、「通過列車にご注意」にも記載されていません。

現在は18:52です。親子三人連れは下り列車でした。次の下りは20:12です。いなかの無人駅のダイヤはこんなものなのです。

私は駅舎を出て、車に乗り込もうとしました。ふと、暗くなった空を見上げてみると一筋の光が海岸線から上方へと昇っていくのを目撃しました。
マネキンのいる風景 No.26 ビーチ
2018.02.23
ここは私のマイビーチです。
素晴らしい海岸です。

月夜に訪れるとまるで「死後の世界」のような処です。(笑)

それは決して怖くない、寂しくない、静寂で平穏な世界となります。
安穏というのでしょうか。






これは夕刻前ですが、これから日が暮れて月夜となると
波打ち際の手前にある水溜りに月が写って独特な景色となります。

秋から冬にかけてはほとんど人はいませんので
一人でこの海岸を散策すると、経験したことのない独特な世界に引き込まれていきます。


ちょっと雰囲気は違いますが、海の詩といえば中原中也の「北の海」を
思い起こします。
高校の教科書に載っていました。


「北の海」   中原中也

海にいるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にいるのは、
あれは、浪(なみ)ばかり

曇った北海の空の下、
浪はところどころ歯をむいて、
空を呪つているのです。
いつはてるともしれないのろい。

海にいるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にいるのは、
あれは、浪ばかり。
マネキンのいる風景 No.25
2018.02.22
これは車で十五分ぐらいのところにある海岸で写真を撮りました。

マネキンに石膏で作った枝サンゴとテーブルサンゴを添えました。
かなりの角度でここは撮影可能な場所です。

このアングルはときどき使えます。







「マネキンのいる風景」で手作りの写真集を制作しました。

これは表紙です。













両面マット紙にCanon Pro100のプリンター
製本キット(特殊ホッチキス、裁断機など)
ソフトはPhotoshop。があればA5サイズながら自費出版の費用はあまりかかりません。(10~20部ぐらいなら)

掲載写真は24枚。
マネキンのいる風景 No.23-24
2018.01.22
こんなところに五重塔があります。

信仰とは不思議なものです。叶えてもらえば感謝し、裏切られても「試練を与えらた」と解釈して、精進しようとします。

神は必ず、救ってくれると信じ続けること。それは人間の願いであって他に選択肢はありません。





ここの五重塔に訪れる人はほとんど地元の人たちです。
撮影に何度か来ましたけど、ここに出入りする人を見かけたことはありませんでした。人口が少ないから致し方ないのですが、現世に於いて必ずや救っていただきたいという執念のようなものが漂っているようです。





数キロほど車で走るとひまわり畑がみえてきました。(10月頃・・ここは遅め)

こちらにはたくさんの人々が訪れていました。
ちょっとした地元の景勝となっていましたが、ひまわりの花言葉には「幸福」や「輝き」とかがありますから、信仰のように訪れるのもありかなと思いましたね。



マネキンのいる風景(16)~(18)
2017.01.30
樺の川という地を散策したけど、ここにはそこそこの棚田があって、なかなかに風光明媚であるけれど、至る所に休耕田が多い。




それゆえ、ここからの見渡しが絶景だという棚田のビューポイントというのがあってもなんだか物足りない。結局、高齢化の進む山村に、風光明媚の地であってという見学者都合の呑気な要求で、田んぼを作ってくださいなと言えないだろうと思わせるのです。(苦笑)






どうゆうわけか、ここには交通標識が五つほど集中して並んでいた。
たぶん、妙な趣味で誰かが集めたような感じ。

人のことは言えないと思いつつ、シャッターを切った。


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この沼に通ううこと、三回目。
妙な静寂が好き。

妙な静寂とは・・実はすぐそばにはJRの駅があり、コンビニがあり、民家がけっこうあるのです。だから、静寂の合間合間にいろいろな音が響いたり、聞こえてくる。それじゃあ、静寂ではないだろうってことになろうけど、やっぱり静かな時にはシーンって感じなのです。



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