インスタレーション(7) トンネルで黙考する金髪人
2016.12.15
題名:「トンネルにて黙考する金髪人」
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芸術で生業を立てようとする人々は
まずはトンネルに入ったも同然だ。
いつまでたっても潜ったままに
陽の見られない人生を歩むこととなる。
光といえば、せいぜい蛍光灯の仄明かり。
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それは人生の終焉まで続くかもしれないのだ。
怖ろしく長いトンネル
金髪人は遂に黙考に入る。






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トンネルを抜けるとそこは氷の国だった。
インスタレーション(6) 赤いポストに群がる白い手
2016.12.15
題名:「赤いポストに群がる白い手たち」
或る日のこと、私は町を歩いていた。
田舎町とはいえ、小さなビルや近代的な家屋だってある。
ハイブリット自動車だって走っている。
しかし、私は不意に周辺の景色が舞台の暗転のように強引に変わったのを目撃した。
忽ち目前に赤い郵便ポストが現れた。
そして、その背景は昭和の原風景であった。
まさに街角ピンポイント。



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眼を凝らすとなにやら白い小動物らしきものがポストに群がっている。
いや、小動物のように見えたのは人の手だった。
赤い郵便ポストに群がる白い手の集団。
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夕暮れの小一時間、人らしきは現れなかった。


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