インスタレーション(20) 流木と白い首
2017.01.17
題名:「流木と白い首」


浜辺にて休息する
青い空と白い砂、青い海と白い雲
そして
流木と白い女。
白い首が男をみつめる





「裏切ったのはあなた。」


青い空と青い海、白い雲と白い砂
そして
流木と白い女。
インスタレーション(19) 電車
2017.01.16
私たちはふいに危険と並列状態にいることに気付かされる。
ほんの数十センチの際を人間の肉体など木っ端みじんに砕いてしまうほどの衝撃が通り過ぎる。




おそらく文明が開かれていない頃には、このあたりマムシかイノシシが私たちを脅かしていたのだ。
まあ、鎌か棒っきれでも持っておれば、心強かったろうと思う。







文明とは恐ろしいものなのだ。
いや、人のあくなき欲望が恐ろしい。
車、電車、飛行機、原発、
戦車、ミサイル、核兵器、
人にとって便利であり、そして保護してくれているのだと。

マムシに注意という看板があった。
線路に入らないでという看板もあった。
見上げれば青い空と陽の差す山々が実に美しかった。
パーフォマンス・フォト(1) 「枯れゆくヒマワリ畑の三姉妹」
2017.01.13
枯れたヒマワリ畑で談笑する三姉妹。

仲良し三姉妹に近づく男たちは
この三人の合意によって手玉に取られる。





ちょっと遊び心、いや、イジワル心で
「ああ、もう、あの男、センス悪いわね。」
「ああいう男って、働かないから。怠け者なのよ。」
「口先ばっかり、あてにならない。いい格好しいなんよ。」
「実績ないのに、やたらプライドが高い。挫折するとすぐ凹むよね。」
「ママの言うことばかり聞いてんじゃないの。毎日ミルク飲んでんのよ。」

「やたら出身校、出身大学云々や手柄話が多いのよね。今の自分って何なん?落ちこぼれちゃってんの気付かないのかしらね~。」




一言ごとに、ヒマワリが一本枯れてゆく。
次々と枯れてゆく。
そんな午後でした。
インスタレーション(18) タコ公園の穴蔵にて沈思黙考する金髪人
2017.01.13
金髪人はタコ公園にて沈思する。
陽光眩い日、
穴蔵に入り、
金髪人生を振り返る。




紆余曲折・切磋琢磨、
よくもまあ、一生懸命、頑張った。



目標成就、さて?
自己実現、さて?
たくさん褒めて頂きましたが、さて?


やっぱり、
騙されたって、
騙されたなって
金髪人生を振り返る。


金髪人はタコ公園にて沈思する
そのまま
そうして終焉はやってくる





やっぱり、騙されたって、
紆余曲折、切磋琢磨、頑張った。
ああ、騙されたんだ。
金髪人生はすぐに終焉だ




ああ、もう古びちゃった
誰もいなくなった
騙されたんだ
インスタレーション(16) トンネル
2017.01.04


題名:トンネル


トンネルを抜けるとき彼女は必ず夢想する。
こちら側の世界があり、向こう側の世界がある。
一気に突き抜けようとすると
双方の融合する処があり
そこには鉄格子の部屋が並んでいる。




両足を踏ん張って
彼女は鉄格子を掴み、揺する。
執拗に、繰り返し、揺する。
トンネルの壁は小刻みに震える。
それでも
鉄格子を掴み、揺する。
繰り返し、揺する。



やがて
強烈な光が彼女を照らし
忽ち、石の女となった。

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