フォトモンタージュ No.3 工場
2018.02.13
「工場」

空が赤くなった
燃えるような
赤い空は
心臓の鼓動のように
脈づいていた

工場は生きている
人々も其処で生きている

赤い空を突っ切る
黒いカラスの群れ
煙突をかすめて
向こうの山際で消えた

工場は生きている
人々の心臓も鼓動を重ねる

金属製のパイプが唸(うな)る
マシンが振動している
トラックの荷台がきしむ
工員の汗が床を濡らす








赤い空が闇となり
森が眠りはじめても
工場は眠らない
人々も眠らない

金属製のパイプが唸(うな)り
マシンが振動し
トラックの荷台がきしみ
そして
工員たちが汗を拭(ぬぐ)うのだ




詩集 「境界」より  

解説・・・そのままですね。

この写真は石灰工場なので大きな煙突がないのですが、この近隣にセメント工場があって、そちらには煙突があります。
もちろん、周辺にはカラスがたくさんいます。

二つの工場も、昼夜操業しているように見受けられます。ご苦労様です。
2018.02.13 02:15 | 固定リンク | 文芸
アトリエと不安  「アグリッパと切株」
2018.02.11
やっと昨年、手作りで詩集を作りました。

「境界」という詩集からです。


「アトリエと不安」

私の不安は
いつもの冬の空にある
それは
雪曇りの或る日のこと
もしかして
天が真っ二つに割れて
その黒色の裂け目から
いっせいに
つめたい氷の欠片が
降りそそぐということだ

怯えながら
凍える幹に
片方の手で身体を支え
埋葬者のように
林間を彷徨(さまよ)い歩き
アトリエに辿(たど)り着く

悴(かじか)んだ右手は
神経病のように
幾度となく強く頷(うなず)いては
絵筆を振り回すのだ

私の不安は
アトリエの壁面にある
その壁は
全体が泥濘(ぬかるみ)のようで
棒状の自影が映った鏡があり
周りに枯れた樹木があり
ぼろぼろの布切れの纏(まと)わりつく
塊(かたまり)に人がいるからだ
そして
じっと私を見つめている







解説すると(笑)

絵を描いて生活するというのは
無謀なことであり、生活が突然、破綻するという不安があり、
日々、堅実に働いている人の厳しい目線があるのではという
ことなんですが・・・

写真「アグリッパと切株」・・黒潮町入野で撮影です。
2018.02.11 02:25 | 固定リンク | 文芸
フォトモンタージュ No.1 沈む城郭
2018.02.05
或る日の午後、私はある漁港を訪れることにいたしました。

そこは淋しい過疎の漁村でしたが、美しい景色と青い海に燦燦と陽光が差す海沿いの道を運転するのは楽しくて仕方がなく、以前に来た記憶を思い起こしていました。その矢先でした。

 突然、漁村の入口であるトンネルを抜けると、その前方には海に沈みつつある大きな城郭がみえてきたのです。








 私はアグリッパがこちらをみつめているのも構わず、カメラのシャッターを押しました。彼は堤防の上で囚われの身でした。

  ローマ時代の高名な将軍であってもこの事態を脅威に感じたに違いありません。軍人といえども滅びゆくものは止められません。

 北朝鮮? アメリカ? ロシア? 中国? ・・・・地球?

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