倉橋孝彰詩集より 「登山道」
2018.04.11
新荘川の中流域の石の橋?・・・実際はコンクリートだけど
石橋のようにも見えます。

夕刻の静寂の中、川の流れと鳥の声が聞こえています。
サワサワの空気感です。






「登山道/夕刻」


黄金色の太陽光線が
斜めになり
黒い陰を引いて
段々と色褪せてゆくと
山の際々から
ホロロ、ホロロ、
ホロロと
ほんとうの風が吹いてくる


身体を抜ける風が
ぶるるんと
魂を振動させた


静まり返る夕暮れに
一人歩く登山道は
黄色い光りがとても寂しい
汗が冷たく
足音が森に沈んでゆく


眠り始めた小さい道が
白く浮き上がって
大蛇のようにうねる


そうして
大きな光が消え
黒い木々の背丈が伸び
盛り上がる夕刻の夜の山頂に
冴え冴えと
青白い月が
冷たく光っている


詩集「境界」より (倉橋孝彰)
2018.04.11 20:57 | 固定リンク | 文芸
倉橋孝彰詩集より 「廃船」
2018.03.30
 廃船

ほんとうに
船は生きていた

波のないとき
かっこよく
大海原を走り抜けた

嵐のとき
しょんぼり
港に佇(たたず)んでいた

五トン未満の
小さな船です

魚でいっぱい
ぎゅうぎゅうのイケス
破顔一笑の
漁師を運びました





ほんとうに船は
生きていた

トビウオが
船尾をかすめ
イルカが並走しました

魚が甲板を跳ね
巻き上げた網々
舳先(へさき)から
朝陽に包み込まれました

ディーゼルエンジンの
振動が懐かしい
船板を叩く波音が
いまでも聴こえます

ほんとうに船は
生きていた

「さよなら」の
挨拶は未だです





※倉橋孝彰 詩集:「境界」より 写真集:「象徴のモノクローム」から
2018.03.30 20:49 | 固定リンク | 文芸
タランチュラと浜辺
2018.02.26
外国との貿易がある港では、時々外来種の侵入で問題が起きています。

ヒアリなんかもそうですね。

わがビーチでも時として、こんな忘れ物があります。
海岸に放置するなどとんでもないことです。





なんとタランチュラです。
レッドニータランチュラです。

こんなところに放置するなど、頭がタランチュラですよね。

えっ? わたしが?・・・・

そこで、せっかくの貴重品ですから、瓶詰にして保存することにしました。






これを日ごろから憎く思っている人に・・・・なんて考えてはいけません。

とりあえず、梅と一緒に漬けると「タランプラム酒」ができるそうだという話もありますが、たとえ、一寸の虫にも魂がありますから、重く考えて逃がしてやることにしました。


どうぞ、ご無事に。

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