化面界隈  No.5~6 海岸
2018.01.11
海の傍に棲んでいるのは化面です。

時々海に入って様子をうかがったりしていますが、やっぱり、この流木のうえが落ち着くようです。






想い出すのは故郷のバリの海です。さんさんと照り映える海岸の砂浜に眠っていたころは天国でした。

こんな日本の海岸に辿り着くとは思いもよりませんでした。

子供たちはプールのなかで時間を争っています。

日焼けが怖いのでここの海岸では女性がほとんどクリームを塗っています。
魅力的身体を失うわけにはまいりません。小麦色の肌なんてもう昔話です。









いつの間にか流木が石に変わり、私たちはその岩に同化してしまいました。


不意に正岡子規の言葉が・・・・・

「春雲は綿の如く、夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く、冬雲は鉛の如し」

ちょうど今は、鉛のような雲が浮かぶ時期なんですね。
2018.01.11 00:22 | 固定リンク | 仮面界隈
化面界隈 No.4 石灰工場
2018.01.07
化面の前方には線路があり、そして、そこから山の斜面となっています。

撮影のために斜面に沿った道を登っていくと、廃屋があります。それは廃屋の一部なのですが、残骸のような部分となんとか形体を保ったような家屋の一部が残存しています。

その合間をぬって歩いていくのですが、途中、所々に人が住んでいた気配が感じられます。





 この石灰工場では、ずっと以前に社宅で殺人事件がありました。社宅に住んでいた主婦が殺され、犯人は別の社宅に住んでいた男でした。私にはその事件の記憶がほんの少ししかありませんから、概要はまったく分かりません。そして場所自体も、もっとずっと西方向のA駅の近くではと思い込んでいました。

もちろん、この工場は夜景も素晴らしいので、夜の撮影にも数度訪れましたが、この場所がその現場であると知ったのは、撮影を始めた頃からずっと後のことでした。

 社宅は誰も住まなくなって、完全に廃屋化して外形をとどめていません。いつ頃かは分かりませんが、きっと事件があって間もなくではないでしょうか。


 社宅の在った位置から、ちょうど真ん前に工場の全景がみえます。きっと、主婦の方は、ご主人の働いている職場を台所の窓から、あるいは居間の窓から見ていたかもしれません。

ここは春になると桜がとてもきれいです。




私は桜が咲くころには、夜景も撮影に訪れます。
なんとも幻想的で美しい姿を見せてくれます。




 私が歩き回っていた処が、ちょうど殺人事件の場所だと驚いて地元出身の方に話をしたところ、その方は「工場と社宅」の間はちょうど谷間があって、川が流れているけど、そこに身投げした人もいたと言われました。


 その川は「桜川」という名称で、きっと春になるとこの場所にある桜の木々が散って、その花びらが浮かんで、美しく流れていたに違いないと思いました。

ご冥福をお祈りいたします。
2018.01.07 23:04 | 固定リンク | 仮面界隈
化面界隈 No.3  椅子
2018.01.06
人と人の関係は、どこか危うい。

椅子に座って正面を見据える二人は、心中でもしない限り必ずや別れが訪れます。
どちらが先で、どちらが後で、どちらがどちらであっても寂しく悲しく憂鬱ですね。








別れは死だけだとは限らない。
こころの行き違いによって、或いはいずれかの裏切りによって、金銭関係のトラブルなど・・・・

加齢による価値観の相違だってこともあります。

隣同士いるのに実は互いが見えなくなっている・・・・しかし、正面を見据えて隣を伺わなければ、人生を終えるまで、ほとんど気付かずに済むかもしれない。







インドネシアのバリ島の化面です。
2018.01.06 04:11 | 固定リンク | 仮面界隈

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