タランチュラと浜辺
2018.02.26
外国との貿易がある港では、時々外来種の侵入で問題が起きています。

ヒアリなんかもそうですね。

わがビーチでも時として、こんな忘れ物があります。
海岸に放置するなどとんでもないことです。





なんとタランチュラです。
レッドニータランチュラです。

こんなところに放置するなど、頭がタランチュラですよね。

えっ? わたしが?・・・・

そこで、せっかくの貴重品ですから、瓶詰にして保存することにしました。






これを日ごろから憎く思っている人に・・・・なんて考えてはいけません。

とりあえず、梅と一緒に漬けると「タランプラム酒」ができるそうだという話もありますが、たとえ、一寸の虫にも魂がありますから、重く考えて逃がしてやることにしました。


どうぞ、ご無事に。
マネキンのいる風景 No.27 ビーチ2
2018.02.24
この撮影の帰り道、不思議な体験をしました。








このビーチの近くに無人駅があります。
その入り口に自動販売機がありますので、私はジュースを買って待合室で飲むことにしました。古びた駅舎でしたので、その雰囲気を感じてみたかったのです。

駅舎に入って驚きました。

沢山の人で待合室の座席はいっぱいでした。小さな駅舎でしたから、それでも二十人ぐらいの大人がひしめき合っていました。駅舎の外からはまったく気配が感じられなかったのです・・・・

駐車場は空っぽでしたし、話し声やなんらかの音さえも聞こえませんでした。
そして、奇異に感じたのは、全員が黒いサングラスをしていたのです。



わたしはあっけにとられて、しかし、動揺を見せまいとして、彼らの前を通り過ぎてホームの方へと歩きました。ほぼ全員が口をもぞもぞとさせて、独り言のように喋っています。それは唸りのようになって駅舎全体に響いていました。



ほんのしばらくして、列車がやってきました。
一両編成のディーゼル車でした。

<こんなにたくさんの人が乗れるのかな>
と私は冷静にそう思いました。

列車がホームで止まっても、彼らは誰も動きませんでした。列車のドアが開き、ホームには両親と小さな子供の三人連れが降りてきました。

両親は待合室の客に気付かないかのように通り過ぎましたが、子供は立ち止まって彼らの様子を見詰めていましたが、両親に促され駅舎の外へと引っ張り出されてしまいました。そのあいだに列車は発車しました。









私は待合室に立ち竦(すく)んでいました。
彼らは相変わらず念仏のように独り言を言いながら、古い木製の長椅子に座っていました。

やがて、大きな風の音が聞えてきて、「ヒュゥ~~ン」というつよい風切り音と共に何かが駅舎の傍に止まったような気配がしました。

彼らは一斉に立ち上がり、ホームに向かいました。
かれらは整然と列をつくって静かに歩いていましたが、私には後を追う勇気はありませんでした。






私一人待合室に残りました。


五分ほどして再び、大きな風切り音とど~んという振動があって窓ガラスがガタガタ揺れました。

冷静になった私は自分の時計をみて、そして駅に掲げてある時刻表をみました。下りの列車 18:30 上りは19:32 となっており該当する列車はありませんでした。もちろん、「通過列車にご注意」にも記載されていません。

現在は18:52です。親子三人連れは下り列車でした。次の下りは20:12です。いなかの無人駅のダイヤはこんなものなのです。

私は駅舎を出て、車に乗り込もうとしました。ふと、暗くなった空を見上げてみると一筋の光が海岸線から上方へと昇っていくのを目撃しました。
マネキンのいる風景 No.26 ビーチ
2018.02.23
ここは私のマイビーチです。
素晴らしい海岸です。

月夜に訪れるとまるで「死後の世界」のような処です。(笑)

それは決して怖くない、寂しくない、静寂で平穏な世界となります。
安穏というのでしょうか。






これは夕刻前ですが、これから日が暮れて月夜となると
波打ち際の手前にある水溜りに月が写って独特な景色となります。

秋から冬にかけてはほとんど人はいませんので
一人でこの海岸を散策すると、経験したことのない独特な世界に引き込まれていきます。


ちょっと雰囲気は違いますが、海の詩といえば中原中也の「北の海」を
思い起こします。
高校の教科書に載っていました。


「北の海」   中原中也

海にいるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にいるのは、
あれは、浪(なみ)ばかり

曇った北海の空の下、
浪はところどころ歯をむいて、
空を呪つているのです。
いつはてるともしれないのろい。

海にいるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にいるのは、
あれは、浪ばかり。

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